バンコク 引っ越しについて①(物件の種類とメリット・デメリット)

brown cardboard boxes on brown wooden table

バンコクに住むメリットの一つとして、東京と比較し引越しが容易なことがあります(私自身、既にここ10年で5回引っ越しをしました)。

今後、同地での生活を始める方のご参考までに、引っ越しに関わる情報や注意点などをご説明できればと思います。

1.物件の種類

low angle view of building

バンコクの物件は、大きく下記5種類に分けられて語られることが多いです。

①サービスアパート(ホテル系、非ホテル系)

➁アパート(家族向け)

➂アパート(単身向け)

④コンドミニアム(分譲マンション)

➄一軒家・ムーバーン

特に上記①~④についてはほとんどの日系不動産会社ウェブサイトに詳しい説明がされていますが、本ブログにおいても簡単にご説明いたします。

 

①サービスアパート

出所:https://www.centrepoint.com/thong-lo

サービスアパート(以下「SA」)といわれるタイプの物件がタイにはあります。バンコク都心部に多いですが、シーラチャやチェンマイ、コラートといった地方都市にも最近は拡大してきています。

SAとは掃除や食器洗い、洗濯など、ホテルに近いサービスが受けられるアパートの事です。ホテルの一部のお部屋を中長期滞在者用に貸し出している「ホテルタイプ」と、全室が中長期滞在者専用の「アパートタイプ」に大別されます。

前者については、毎日のメイド(掃除など)やビュッフェの朝食がつく物件もあり、ほぼホテルに滞在しているのと同じようなサービスが受けられます。一方で後者は、メイドは週数回と決まっており、朝食はついたりつかなかったりといった場合が多いです。

日系不動産会社さんでは、特に単身で駐在される方にはSAを勧めてくる場合が多いです。短期滞在可能な物件も多いので、駐在前に出張する機会がある方は、目星をつけている物件に試しに宿泊してみても良いかもしれません。また、気に入ったアパートやコンドミニアムが見つかるまでの数か月限定で住む方も多いです。

以下、SAに住むメリット・デメリットをあげます。

<SA居住のメリット>

  • セキュリティがしっかりしている
  • 掃除や食器洗い等の手間いらず、部屋は清潔に保たれる
  • 設備の故障等の問題発生時、レセプション等に相談し迅速な対応が可能
  • 朝食付きの物件も多い(特にホテル系)

<SA居住のデメリット>

  • 家賃が高い
  • その割に部屋が狭い傾向あり
  • 収納スペースが少ない物件が多い
  • ホテル系SAの場合は観光客が多く館内が騒がしい、落ち着かない

短期滞在可能な物件も多いので、駐在前に出張する機会がある方は、目星をつけている物件に試しに宿泊してみても良いかもしれません。また、気に入ったアパートやコンドミニアムが見つかるまでの数か月限定で住む方も多いです。

➁アパート(家族向け)


ご家族でいらっしゃる方の多くは、アパートかコンドミニアムにお住まいの方が多いです。特に多くの日本人や欧米人が住むスクンビットと呼ばれるエリアでは、海外から家族連れで駐在されている外国人向けのアパートが乱立しています。

そういったアパートは築年数が経過している物件が多いものの、サービスアパートやコンドミニアムと比較し圧倒的に部屋が広く、また日本人を意識しているのか内装も落ち着いた雰囲気です。台所もやバスルーム、バルコニーなども広く、主婦の方が料理・洗濯をしやすい設計となっています。ファミリーが住むことを想定している為、小さなお子さま向けの遊び場なども設置されている物件が多いです。

また、多くの物件がスクンビット等の外国人エリアに立地しており、日系スーパーや日本食レストラン、幼稚園等へのアクセスも容易です。そして、居住者の多くが日本人家族のため、お友達や近所づきあいもしやすい環境です。

一方で欠点もあります。

まず、多くの家族向けアパートは部屋が広く、また高級住宅街であるスクンビットやサトーンといったエリアに立地している事もあり、家賃は全体的に高めです。次に、前述したように築年数が古い物件も多いため、雨漏りや配管などに問題が発生する頻度が高く、ゴ〇〇リやネズミ等が住み着いているケースもあり。また、アパートはコンドミニアムと違い、全棟を一人(ファミリー)のオーナーが経営しており、契約時の値引き交渉等が難しいです。そして最後に、電気代や水道代が高めの設定になっています(感覚としては、コンドミニアムの1.5~2.0倍くらいです)。これは、オーナーが本来の料金との差額を収益源としている為です。

ただ、上記の問題点を踏まえても、日本ではなかなか住めないような部屋の広さは魅力かと思います。私は独身ゆえ家族向けアパートに住んだことはありませんが、物件を内覧するたびに、「こんなに広い部屋に住めたら楽しいだろうなぁ」と夢想してしまいます。

<家族向けアパートに住むメリット>

  • 部屋が広く、収納も多い。
  • 台所やバルコニーも広く、子供用の遊び場もある等、家事・子育てに適した住環境。
  • 外国人居住区(スクンビットなど)に立地した物件が多く、日系スーパーや日本人児童向け幼稚園や学校へのアクセスも良いなど、外国にいながら日本と同様の生活が可能。

<家族向けアパートに住むデメリット>

  • 築年数が経った物件が多く、デザイン性は低い。
  • 電気代・水道代が高くつく。
  • 水漏れ等の設備上のトラブルも多い。

ファミリーでの滞在であればファーストチョイスになるかと思います。

➂アパート(単身向け)

出所:https://www.renthub.in.th/en/oblique-apartment

一口に単身向けアパートといっても千差万別ですが、ここではワンルームの一般的なタイ人が住むアパートをご説明いたします。

単身向けアパートでは、一部レアケースを除けば、タイ人の学生さんや会社勤めのタイ人が主要住人となります。ワンルームの真ん中にダブルベッド(タイではキングあるいはクイーンサイズのベッドが一般的です)が配置され、簡単な化粧台や勉強机、小さな冷蔵庫(月額レンタル制)に物干し用の小さなベランダなど、生活に必要なものは最低限揃っています。

タイ人が住むことを前提としている為、シャワーのみでバスタブはない物件がほとんどです(タイにはバスタブに浸かる文化が元来ありません)。また、タイでは自炊の習慣が薄く、キッチンはないか、あってもベランダに流しがある程度です。洗濯機もないのが一般的で、コインランドリーを使用します。共有ファシリティについてもプールやジムのある物件は少なく、基本的に部屋以外の共有設備はランドリーくらいと考えてよいかと思います。

家族向けアパート同様に、電気・水道代は一部がオーナーの収入源となる為、高く設定されています。

・・・とここまで読むと、アパートに住むメリットは何も良いことはないように思えますが、アパートの一番のウリはとにかく家賃が安い点にあります。比較的都心に近い駅近物件でも、探せば家賃3~5,000バーツ/月くらいの物件がゴロゴロあります。部屋では寝るだけなので、とにかく安く便利なところに住みたい方、一般的なタイ人と同様の暮らしを体験してみたい方にはうってつけです。

ただし、基本的に家賃の高低と住人層の良し悪しは比例関係にあり、ガラの悪い住人が住んでいたり、泥棒にあったりといったリスクも高いのでご注意を。

<単身向けアパートに住むメリット>

  • 駅近の好立地物件であっても圧倒的に安い家賃。
  • 外国人は少なく、タイ人の友人がつくりやすい環境。

<単身向けアパートに住むデメリット>

  • キッチン、洗濯機、バスタブは基本的になし。
  • 電気代・水道代が高くつく。
  • 盗難などのトラブルに遭うリスクは最も高い。

④コンドミニアム(分譲マンション)

特に近年、バンコクで雨後の筍のごとく建設がすすみ増え続けているのがコンドミニアムです。アパートは物件全体が一人のオーナーに所有されている一方、コンドミニアムは日本で言うところの分譲マンションとなり、部屋ごとにオーナーがいます。

家賃はピンキリですが、スクンビットであれば1.5万バーツ~10万バーツ/月くらいが標準的な相場でしょうか。少し郊外であれば8千バーツから3万バーツくらいの物件に住む方が多いです。部屋の広さも千差万別ですが、単身であれば30~60sqm、夫婦やファミリーであれば60~120sqmくらいの部屋にお住まいの方が多いです。

単身向けアパートとの違いは、洗濯機などの家電やキッチンが標準装備されており、バスタブもある物件も多いことと、プールやジム、コワーキングスペースなど共有ファシリティが充実していることです。築浅物件であれば内装もモダンでおしゃれ、家具や家電も新しいモデルのものが設置されています。また、電気代・水道代はオーナーを介さず当局への直接支払いとなり安くあがる傾向にあります。セキュリティもしっかりしており、住民層もアパートよりは確実に良いです。

一方でデメリットもあります。それは、近年のコンドミニアム物件は共有ファシリティに力をいれている反面、肝心の部屋自体がどんどんコンパクトになってきている点です。また、賃貸契約はその部屋のオーナーとの間で結ぶ事になりますが、中にはオーナーとのトラブルが絶えない方も身近におり、注意が必要です(私は契約前に必ずオーナーの国籍・年齢・性別を確認するようにしています。また、できれば事前に面談させてもらうように不動産エージェントに依頼しています)。

<コンドミニアムに住むメリット>

  • SAや家族向けアパートと比較し家賃はお安め。
  • ジム、プールなどの共有ファシリティが充実。
  • 築浅物件はモダンで豪奢な内装、家具・家電も新しくお洒落。
  • 電気代・水道代は当局への直接支払いのため安い。

<コンドミニアムに住むデメリット>

  • オーナーの人間性によってはトラブルになるリスクあり。
  • 新しい物件であればあるほど部屋はコンパクトで狭い。

➄一軒家・ムーバーン

出所:https://www.124comm.com/

都心のオフィスに勤務するタイ人は、アパートあるいはコンドミニアムに住む方もいますが、多くは家族とともに郊外の一軒家に住む方が圧倒的に多いです。一口に一軒家といっても、普通の一軒家やタウンハウスと呼ばれる長屋タイプの家もありますが、「ムーバーン」と呼ばれる広大なエリアに開発された集合住宅に住む人が多いです。

ムーバーンは広大な敷地を大きなな壁にぐるっと囲まれており、入口には24時間体制で警備員が見張っていてセキュリティも万全、プールやジムはもちろん、公園などが併設されているものも多く、基本的に敷地内で安全・快適に日常生活が完結できるように配慮されています。その多くは都心から少し距離があり生活には自家用車は必須です。都心中心部のコンドミニアム等よりも家賃は割安で、住人はほとんどがタイ人ですが、外国人が住んでいるケースもあります(特に欧米人は一軒家を好む方が多い印象です)。

わたくし自身が一軒家に住んだことがないため、メリット・デメリットは割愛させて頂きます。

2.まとめ

一般的に言えば、単身あるいは夫婦であればSAかコンドミニアム、家賃を抑制したい方であれば単身アパート、ご家族連れであれば家族向けアパートに住むのが一般的といえると思います。ただ、バンコク都心の家賃は上がり続けており、またコロナ以降は在宅勤務も増えていることから、今後はムーバーンなど一軒家に住む方も増えてくるのではないでしょうか。

今後の投稿では、実際の引っ越しプロセスや物件探しの際の留意点などをご紹介できればと思います。

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