バンコク居住地エリア別解説 その①

外国人が使用するバンコクの主要公共交通機関は、市内中心部を走るBTS(高架鉄道)とMRT(地下鉄)が主となります。アクセスの利便性から、日本人はいずれかの路線沿いに住むのが一般的です。

本稿でBTS・MRT路線図によりエリアごとの特徴を概説し、お住まいを決める際の一助になればと思います。

 

スクンビットエリア

日本人が最も多く住むのは、通称「スクンビット」と呼ばれるエリアになります。スクンビット通り自体はバンコクからカンボジア国境地帯まで伸びているそうですが、日本人の間ではBTSアソーク駅~トンロー駅に広がる一帯を指すことが多いです(ただし、欧米人の間ではBTSナナ駅とエカマイ駅も同エリアに含むようで、定義は曖昧です)。下記路線図の赤点をつけた駅周辺の地域がそれにあたります。

※プラカノンやオンヌットは、これらのエリアと同じくスクンビット通り沿いにも関わらず、何故かスクンビットとは呼ばれません。

http://www.sakura-bkk.com/trainmap.html

統計的根拠はありませんが、実感として50%以上のバンコク在住日本人はこのエリアに住んでいる印象です。特に家族連れの方は、お子様の学校・幼稚園の送迎バスの発着ルートの関係上、同エリアに住まざるをえないケースも多いようです。

バンコクには唸るほどの数の日本食店がありますが、在住日本人をターゲットにした飲食店の大半はこのエリアに集中しており、仕事関係の会食や日本人同士での飲み会等が頻繁にある方が住むには非常に便利です。日本人向けスーパー(フジスーパー)や日本人経営の美容室なども密集しており、日本と同様の生活を送りたい方には第1候補になると思います。

反面、欠点もあります。

まず、同エリアの主要住民がお金持ちタイ人と外国人(日本人)であるがゆえに、諸物価は高めです。また、最寄りの百貨店はBTSプロンポン駅前のエンポリアムかエムクオーティア、ハイパーマーケットであればラマ4世通りのビッグCかテスコロータスとなりますが、住まいがソイの奥になってしまうと気楽に行ける距離ではありません。

加えて、奇数側(北側)のソイは道が入り組んでおり、通勤・通学時間は渋滞にするためタクシーもなかなか捕まりません。空港やモーチットバスターミナルからも距離があるため、旅行等に行く際の移動の利便性も高いとは言えません。

お金持ちや外国人をターゲットにしたスリが多いことでも知られ(私の知り合いもバイクによるひったくり被害にあっています)、野犬も多いため、夜間は注意が必要です。

 

スクンビットはこんな方におススメです!

●ご家族がいらっしゃる方

●会食や飲み会が多い方

●語学が苦手な方(同エリアのアパートや飲食店スタッフは日本人慣れしてます)

●生活費が多少嵩んでも構わないので日本と同様の生活をしたい方

スクンビットはこんな方にはおススメしません!

●外出好き・旅行好きの方(交通アクセスは良いとは言えません)

●生活費を抑えたい方

●外国に住んでいることをより実感したい方

 

シーロム・サトーンエリア

駅名でいえば、MRT(地下鉄)ルンピニー~シーロム駅、BTSサラデーン~サバーンタクシン駅の近辺一帯は、一般的にシーロム・サトーンと呼ばれるエリアとなります。

金融機関や商社、外資系コンサルティングファームなどが多くオフィスを構える「タイの丸の内」ともいえるエリアであり、スクンビットと同様に外国人が多く住んでいます。ただし日本人については、ここ10~20年に日本人向け飲食店や施設のスクンビットへの集中化がすすみ、それに伴いシーロム・サトーンのオフィスに勤める日本人もスクンビットに住むケースが増加。現在は主に欧米人が多く住むエリアになっています。

私も同エリア(サトーン通り南側)のサービスアパートに居住していたことがありますが、住むには不便なエリアだと感じました。ハイパーマーケットや百貨店が少なく、また、朝夕のサトーン通りは大渋滞が発生し、移動にも不便です。生活利便性は決して高いとはいえません。

反面、オフィス街ゆえに駅前や大通り沿いを除けば夜は静かで落ち着ける環境です。また、欧米人向けのオシャレな飲食店も多く、異国に住んでいることを感じながら生活ができます。

シーロム・サトーンはこんな方におススメです!

●勤務先が同地域にあり、オフィス近くに住みたい方

●日本人の少ないエリアに住みたい方

●外出の頻度が低く、空港やバスターミナル等へのアクセスの悪さが気にならない方

シーロム・サトーンはこんな方にはおススメしません!

●飲み会や会食の頻度が高い方(スクンビットで行われる事が多い)

●頻繁に外出する方・旅行好きの方(各主要交通拠点へのアクセスは非常に悪いです)

オンヌットエリア

日本人街といわれるプロンポンやトンローからBTSで更に東にすすみ運河を超えると、オンヌットと呼ばれるエリアに入ります。高速道路の入口に近く、且つバンコク中心部にもBTSで簡単にアクセスできる利便性から、ここ数年で急速に開発がすすんでいる地域です(私が初めて来た20年前は、BTSの東の終点駅がこのオンヌットでした。当時は何もない長閑な下町だったのですが、、、)。現在ではプロンポンやトンローに次いで日本人在住者が多いエリアかもしれません。

BTS駅から徒歩圏内にテスコロータス(BTS駅直結)とビッグCがあること、高速道路の入口が近いこと、バンコク中心部へのアクセスが便利な立地にも関わらず家賃相場が低いこと等から外国人が増え始め、それにともない外国人向けの飲食店や商業施設が開店。現在もコンドミニアムの建設ラッシュが続いているエリアです。

私は同エリアに住んだことはありませんが、引っ越しを考える際はいつも有力候補にあがるため、物件も何軒か視察に行ったことがあります。駅前は非常に賑わっていますが少し外れれば下町風情のあるローカルな街並みが広がっており、屋台やマッサージ屋も充実していますし、プロンポンやトンローに比べれば家賃はじめ物価も安く、生活環境としては快適至便かと思います。

弱点は、主要バスターミナルやドンムアン・スワンナプームの両空港への公共交通機関でのアクセスが良いとは言えない点でしょうか。また、実際にお住まいの方によれば、各ソイの奥は野犬が非常に多いらしく、この点はマイナスですね。

加えて、これは個人的な嗜好ですが、私はどちらかといえば外国人が少なく、且つ静かで落ち着ける環境が好きなものですから、外国人が多く賑わいでいる点はマイナスです。

オンヌットはこんな方におススメです!

●家賃をはじめ物価が安い地域に住みたい方

●日常生活をおくる上で利便性の高いエリアに住みたい方

●外国人が比較的多いエリアに住みたい方

●チョンブリーなど東部方面に車で通勤される方

オンヌットはこんな方にはおススメしません!

●旅行好きの方(バスターミナルや空港へのアクセスは悪いです)

●外国人が少ない、静かなエリアに住みたい方

●犬が苦手な方(私です)

チットロム・ラチャダムリエリア

BTSチットロムやプルンチット、ラチャダムリ駅近辺一帯を、本記事では総称してチットロムエリアと呼ぶこととします。同エリアはバンコク随一のショッピング街であるサイアムにほど近く、高級ホテルも林立する商業地区であると同時に、高層コンドミニアムが林立する外国人居住地区としても有名です。巨大オフィスコンプレックスであるオールシーズンズプレイスに勤務する方や大使館など政府系機関にご勤務の方、サトーン・シーロムエリア勤務の方が多くお住まいですが、日本人居住者はスクンビットやオンヌットと比較し少なく欧米人居住者が特に多い印象です。

私はこの地域に住んだ経験はありませんが、通っているジムが同エリアに所在するため、日常的に訪れているエリアです。プルンチットであればオールシーズンズプレースのTOPS、チットロムであれば伊勢丹やセントラルワールド、また駅からかなり歩きますがビラマーケット等が日常的な買い物スポットになるかと思います。

主要幹線道路沿いを除けば非常に静かで落ち着いた雰囲気に包まれています。日本食店はスクンビットやシーロムと比べれば少なめですが、欧米系の高級レストランが数多く点在するお洒落なエリアです(その分、家賃はじめ諸物価も高め)。治安も良いと聞きますし、街を行きかう方々の見た目も他地域より落ち着いており、タイの住宅街につきものの野良犬も少ない印象です。勤務先のロケーション次第ではありますが、落ち着いた生活環境を求める方には候補になる地域かと思います。サイアムはBTSシーロム線とスクンビット線の乗り換え駅となっているため、都内各所への公共交通機関によるアクセスも比較的良好と言えます。

なお、同エリアのエラワン交差点(ラチャブラソン交差点)はバンコクでも指折りの交通の要衝であり、政治的混乱がある際はたびたびデモ隊等の集会場所となって交通網が麻痺したり暴動の発生現場となりました。2013年末に発生した反タクシンのデモ隊が行ったバンコク封鎖では、アソーク交差点やラップラオ交差点とともに同交差点も封鎖地域となり、またエラワン廟では中国人観光客を狙った大規模テロ事件も発生。不測の事態が発生しやすいエリアであると言えます。

チットロム・ラチャダムリはこんな方におススメです!

●欧米人が多い(日本人が少ない)エリアに住みたい方

●同エリアやシーロム・サトーン方面にお勤めの方

●静かな住環境を求める方

チットロム・ラチャダムリはこんな方にはおススメしません!

●生活費を抑えたい方(物価は高め)

●日常的な買い物が便利な立地に住みたい方

 

次頁に続きます。